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もちろん、アメリカ人はこんな悪人ばかりではありません。
日系企業に就職しようとする人たちの中には、善良で有能な人たちがたくさんいます。
短期の業績が落ちたからといってすぐクビにせず、長い目で事業を育てようとする日本の企業文化を好み、日系企業に職を求めるアメリカ人(特にマネージャークラス)だって少なくないのです。
ですが、そうした善良な(少なくとも悪意のない)アメリカ人であっても、日本企業の。
甘さ″から期待以上の報酬を提示されれば、「いや、それは私の実力を超えた金額なので、とても受け取れません」とはいいません。
内心「ラッキ〜」と叫びつつ、外見ではしかつめらしい顔をして、おもむろにサインするでしょう。
たとえばということで、B社の例を紹介しておきます。
B社はアメリカ国内で、数百店舗にものぼるチェーン店を展開することになりました。
そこで、新たに採用したアメリカ人のバイスプレジデント(日本では副社長と訳しますが、その職掌は日本でいう取締役事業部長クラスに該当します)たちや、買収した会社の役員(すべてアメリカ人)のうち再雇用する人たちと、あらためて雇用契約書を結ぶことになったわけです。
私たちへの依頼はその契約書のことではなく別の事案でした。
その話の流れの中で、「じやあ、私さん、こちらにもちょっと目を通してください」ということになり、くだんの雇用契約書を「ちょっと」チェックすることになったのです。
その契約書は、雇用される側のアメリカ人たちが提出したものを、B社側がチェックして作成し直したものでした。
当然、提出する側は「これだけ報酬がもらえたらいいなあ」という、自分の希望を(弁護士などに依頼して)書き入れてきます。
ですからチェックする側は、その希望が妥当なものか過分なものかを判断し、「過分な希望」については削除または軽減する措置を講じなければなりません。
しかし、B社から提示されたバイスプレジデントとの契約書の内容は、相手側の希望をほとんどそのまま受け入れたとしか思えないものでした。
いい人であることと契約書の内容とは別雇用期間3年。
基本給は一般的給与レンジの最大値か少しオーバーした額(客先なので、その場では正確な判断はできませんでした)、ストックオプション付き、セベランスパッケージ(優遇退職金)付き、401(K)付き、売上に比例したボーナス付き…・…法外とまではいえませんが、すべての希望が出そろっているという感じです。
「えっと、これ、かなり問題があると思います。
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